10代のあなたへ~晴耕雨奏のススメ

土いじりの好きなピアノ弾き。音楽大学講師。かつて怒涛の十代を過ごした私が、やがて十代になる娘に宛てて書きます

国境を越える

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清々しい秋晴れの日が続いている。

先日、4年ぶりに来日した恩師のレッスンを受けてきた。86歳の師が奏でる生き生きとした美音とその混ざり合いによる繊細な音色のグラデーションの妙に、久々に目の覚める思いをした。あまりにも暑くて長過ぎた夏以来、すっかり澱んでいた身体の細胞ひとつひとつが活気を取り戻したような時間となった。そして気づいたのだ。音楽は国境を越えると言われ、それは言語を介さないコミュニケーションツールとなり得るという文字通りの意味もあるけれど、私が娘に示してやりたいのはそちらではなくてこれだと。音楽でなくともいいのだ。自らの持てる能力を磨いて高めようと努力すれば、国境を超えた同志や偉大な先輩達の才能に触れて世界が広がるのだということを。

種まき

畑の種まきのお手伝いに行ってきた。電車に揺られること2時間半、着いた駅には物腰の柔らかい青年が車で出迎えてくれた。私たち親子の他に3人のお手伝い志願者が同乗。「どちらから?」との問いに「2年前から日本を旅してちょうど今は房総にいました」とのこと。一瞬いろんな疑問が頭を駆け巡る。「ときどき留まってお仕事するのですか?」「ええ、主にリゾートバイト。ホテルなどの住み込みです」ようやく暮らしの形が朧げながら想像できてきた。「4月からは金沢、その次は沖縄に行く予定」とのこと。

身ひとつでどこまでも自由に移動し自由に生きる、、引き換えに孤独と?将来への漠然とした不安と???

ん?

これらは、たとえ家族と定住していても究極には変わらないのではないか?

だとすると、不自由に感じるとすれば、もしかすると自分の心の中で勝手に作り出した幻影に苦しめられているだけなのかもしれない、、、

久々に都会を離れて土に触れたいと参加したイベントだったが、始まる前からガツンと殴られたよう。

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そして畑作業。スタッフの方達が数日間ポケットに入れて(人肌で温めて)発芽させた夏野菜の種をポットに植えたり、ヤーコンの種芋を植えたり。。。娘は、ヤギや猫と戯れたり、畑で出会ったお友達とハンモックに揺られたり。そして、その辺りに生えていたニンジンと小ネギを根っこから少々と、シソの種を頂いて帰ってきた。

また行きたい!と娘。

種から芽が出て育つ姿を見に、またお手伝いに行きたい。

 

 

 

普段どおりに!

先日、伊勢丹で娘の写真を撮っていただいた。出かける前、念入りに髪型を仕上げようと思っていじればいじるほど、普段は気にならない後れ毛などが気になり出してなかなかビシッと決まらない。出発時間が迫って焦っていると、娘がひとこと「ママ、いつも通りに!毎日幼稚園に行く時と同じだと思って!」と。

急に肩の力が抜けてフッと楽になり大らかな気持ちになれた。「練習は本番のように、本番は練習のように」と、何度も言われて育ったけれど未だにジタバタしている。娘は、案外腹が据わっているのかもしれない。

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今年は、朝顔もヒマワリも紫蘇もバッタに食われて穴だらけ、、トマトだけはバッタも食べないらしい。

梅雨明け!?

春からあちこちの小学校で先生方のお話を伺う機会があった。それぞれに大切にするものがあり、それが教育方針となって独自のカラーを生み出している。子どもが将来大きく羽ばたく為に、より大きな箱を用意してやりたい。同時に、一人娘にとって心のふるさととなり得るような温かな環境は何ものにも変えがたい。

ただ、いずれにしても完璧はあり得ない。ご縁のあった学校の良いところを大事に、足りない部分を補いながら、よりよい成長を見守っていきたい。楽しみだ。

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氷砂糖はすっかり溶けて梅シロップ完成。朝顔も順調に育ち開花が楽しみ。ひまわりの芽を食い荒らした幼虫は虫籠の中で蛹になった。ベランダのトマトが収穫できる日も遠くない。f:id:seikouusou:20220626093206j:image

育児は育自というけれど

てんこ盛りの毎日に翻弄されているうちに6月になってしまった。新学期に入ってから、眠っていた何かが呼び覚まされたかのように娘の気性が荒くなり、どんと構えていたいとの思いはいつも打ち砕かれ、結局いつも激しいぶつかり合いになってしまう。親業6年目、まだまだ修行が足りない。

いつだったか四柱推命に詳しい娘のピアノの先生に「ライオンと大木」と評されたことがあっが、私は大木の周りで無駄に吠えるライオンなのか?伸びていく力を削がずに、水と養分と光と風を与えていれば木は育つ。枝ぶりに気を配り、必要に応じて添え木をしてやったりしなけれならない時もあるかもしれないが、自然に伸びる方へ伸びていく、、、分かってはいるつもりだが、ついつい口出ししてしまう。

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朝顔と同時期に植えたひまわりの芽だったが、あっという間に青虫に食べられて跡形もなくなってしまった。形跡を見て慌てて防虫ネットをかけたのだが、どうやら昼間は土中で眠って夜に活動する蛾の幼虫だったらしく、防虫ネットの意味なし。昨年のコスモス以来の惨敗。

朝顔は順調に本葉を出している。実家の梅の漬け込みも終えて梅雨明けを待つばかり。

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潮干狩り

f:id:seikouusou:20220417152724j:image1年ぶりに潮干狩りに行った。昨年、偶然通りかかって見つけた横浜の海の公園へ。出入り自由で無料!お昼ごろ干潮を迎えるという休日の午前中に現地入り。まずは砂浜に隣接した芝にテントを張って基地づくり。水が冷たい時期だったので私は「海には入らない」とのんびりテントで収穫を待つことにした。気合い充分の父子はまだ冷たい海に果敢に入って行く。もっと潮が引けば砂浜で掻き出すことも出来るはずなのだが「その時間には人が多くなりすぎる」と膝まで浸かって探る。娘は既にお尻まで浸かっている。どうやら沢山アサリが集まっている場所を探り当てると、素手でザクザク取れるらしい。昨年より1ヶ月程時期が遅いので、充分に成長したアサリが大漁。砂浜に上がった娘は急に身体が冷えてきたようで、大急ぎでテントで着替え、温かい飲み物とおやつで身体を温める。夫はまだ名残惜しいらしく海の中。さあ、今晩はアサリ尽くしだ。

お昼過ぎには帰宅して砂抜き開始。バケツの中のアサリ達は車に揺られた道中、羽ならぬツノをブヨーンと伸ばして元気満々。スーパーのアサリの生身は白っぽいが、採ってきたアサリの身は透明に近い。

大人はシンプルな酒蒸しが1番だが、クラムチャウダーを食べたい娘と野菜を切ったり一緒に料理。いずれにしても、とても一日では食べきれない量なので、砂抜き後、半分は冷凍することにした。明朝の味噌汁もアサリだ。

それにしても、スーパーのアサリと違って上品であっさりしているので、いくらでも食べられる。しばらく楽しめそうだ。

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新学期の始まり

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 春休み最後の日、「お花のトンネルの下でお弁当を食べたい」という娘と砧公園へ。前日に花吹雪の舞う桜並木を自転車で通って以来、花びらに囲まれてお弁当を食べたいと丸一日待ち侘びた時間。街中はすっかり葉桜となっているので公園の桜はどうかな?と少々心配しながら到着。まずは萌黄色の若葉が目に染みる。そう、私の1番好きな季節の到来だ。満開の桜はもちろんいいけれど、ソメイヨシノが葉桜になる頃、他の桜も咲き始め、そして木々も芽吹き、その淡くくすみを帯びた林の優しい色合いは今だけのもの。眩しい新緑となるほんの少し前。

 自転車を停めると、娘はどこにシートを広げようかと駆け出した。あれはたしか大島桜というのだったか、ソメイヨシノに挟まれた白い桜の枝の下、正にお花のトンネルの下にシートを広げることが出来た。花びらが風に舞う中、昨夜から待ちに待ったお弁当タイム。といっても大した準備もできなくておにぎりプラスアルファ程度のものながら、近くで穏やかなひとときを親子で満喫することが出来た。

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